隣で眠るあんたの顔をこうやって見つめている時間が好きだ。
そっと髪を梳く。
頬に触る。
そして、キスをする。
俺がこんなことしてるなんて、あんたは気付いてないんだろうね。
まぁ、その方が良いんだけど。

「ん・・・。」

小さく漏らされた声に、一瞬ドキリ。
何だ、寝言?
ったく、ヒヤヒヤさせんなよな。

「んとに・・・可愛い人。」

なぁ、あんた今どんな夢見てる?
なんて、らしくねぇ質問。
でも、仕方ないんだ。

あんたは全部俺のものになってくれるって言ってくれたけど。
さすがに夢の中までは手に入らないから。
だから、いつも何か悔しい気分になる。
それくらい、あんたのこと好き過ぎてどうしようもなくなってるんだ。


・・・・・こんな事絶対、口が裂けても言えねぇけど。


言ったら絶対あんたは笑うから。
だから、絶対バレないようにいつも必死だ。
あぁ、何てけなげな俺。




「っと、もうこんな時間か。」



時計の針が夜明けが近いことを知らせている。
もうちょっとだけ待ってくれても良いのに。
時間ってやつはホントに無情だ。


頬に軽く触れるだけのキスをして。
目を閉じる。





願わくば、あんたの夢を見られますように。











・・・・なんてね。