久々のデート。
雨のせいで行き先は俺の家に変更。
まぁ二人っきりってのはかなり嬉しい。
なのに!
千石さんは家につくなり、雑誌を読み始めてしまった。
俺が話しかけても、うん、とか、そぉだねぇ、とかばっか。
意識は雑誌に向けられたま。
俺への愛が足りない。
そう言ったら、千石さん
それぐらいが丁度良いんだよ。
・・・だって。
相変わらず意識は雑誌に向けられたまま。
悔しいから、後ろから思いっ切り抱きついて邪魔してやる。
すると千石さん、雑誌をパタリと閉じる。
そして俺の頬に軽くキスをしたあと
ほら、足りないものってどうしても欲しくなるでしょ?
って微笑いやがった。
やられた。
俺のとる行動なんて、初めっから全てお見通しだったってワケかよ。
なんだってこの人は、こう、いつも。
俺のココロを揺さぶるんだ。
悔しくって、悔しくって。
俺は、千石さんを抱き締める腕に力を入れた。