背中から伝わってくる、切原くんの体温が心地好い。
なぁんて思いに浸ってたら切原くんは俺の肩に額をのせて
いい加減、俺も拗ねるよ?
と小さく洩らした。
こういうのに弱いんだよね、俺ってば。
体を半回転させて、切原くんを正面から受け止める。
途端、ぎゅーってしがみついてきた彼が、どうしようもなく愛しくて。
よしよし。
って言いながら、癖っ毛の頭を撫でる。
子ども扱いするんじゃねぇ!!
と言いつつ、さっきよりも強くなった腕の力。
応えるように俺もぎゅーってしてあげる。
さっきの声、ちょっと鼻声だったね。
別に君を泣かせたいワケじゃないんだよ?
ただ、ね。
君にいつも好きで居て欲しいから、だからあんなイジワルしちゃうんだ。
ごめんね?
お願いだから、不安にさせないで。
いつも、ずっと、こうやって。
抱き締めていて。