「ゆうー、遊びに来たぞー。」
雑誌から目を上げ、の姿を確認する。
ぶかぶかの大きめなセーターと半ズボン。
そこから覗く白くて細い足が、相変わらずキレイだ。
思わずニヤける口元を隠すように、雑誌で顔を覆う。
「・・何ソレ。せっかく来たのに放置?つーか何読んでんの。」
ペタペタと裸足でこちらに近づいてくる。
「んー?何々・・・・・」
そのままひょいっとオレの凭れ掛かっているベッドに上がり、
後ろから覗き込んでくる。
わざとペラリとページをめくった。
「っつ!!!!?ちょ、ちょっ、悠、なに、何コレっ・・・・」
とたんにがバッと仰け反ってオロオロし始める。
「・・・エロ本?」
「っ、だっだってコレ・・・おと、おとこっ・・・男同士じゃん!!」
振り向くと、の顔が超真っ赤。
「うん、帰り道にひろった。」
パタンと雑誌を閉じて床に置いた。
そして、ベッドにあがる。
「拾った・・って、バカかお前!!」
じりじりとに近づくと、その分後ろへ逃げられる。
「うん、バカだし、オレ。」
「うわぁっ!!」
思い切って腕をつかむと、が思いっきり倒れた。
仰向けのを上から覗き込む。
すると、すごくイイにおいが、した。
「ちょっ、悠!何してっ・・・やめろっ!!」
ジタバタと暴れるを押さえて、もっと近づいて匂ってみた。
「、フロ入ってきた??」
「お風呂?入ってきたけど・・・・・って違う!
つーかどこ触ってっ!?」
「オレね、明日から合宿なんだよねー。」
言いながらセーターに手をかける。
「だったらっ・・早く、ね、ろっ!!」
いっそう強くが暴れる。
まぁ、オレのほうが力あるし、無駄な抵抗なんだけど。
「だって、し忘れたら大変じゃん?」
にっこり笑って見せる。
が固まったように静かになった。
と思ったら、さっきよりももっと顔が紅く染まっていく。
「独りで処理しろっ!!!!!」
がここに居るのに、そんなことするはずがない。
そう呟いたとたん、繰り出された渾身の蹴りがクリーンヒットした。
どこに。かは、厳密に聞かないでほしい。