屋上のコンクリートに寝っころがってひとつ息を吐いた。


青い青い空。


そして、ひらめくスカート。


「・・・・スカート?」


視界の端に映ったのは紛れもなく、主に女子が穿くそれ、だった。


「はーまーだー。」


声のほうへ視線を移そうとした瞬間、思わず小さく声を上げた。


み、見え・・。


「・・・浜田?」


脈打つ鼓動を悟られないように、一度咳払いをする。


視線は空へ。


「・・何でお前、スカート穿いてるんだよ。」


がペタンとオレの頭上に座り込んで、顔を覗き込んでくる。


「うへへ、興奮した?」


「するかよ、バカ。恥ずかしくないのかよ、男のくせに。」


よくよく見ると上は普通に男もんのパーカーを着てる。


かなり、アンバランス。


「ちょっとはね?でもまぁ、
どうせ今度文化祭で着なきゃいけないしさ、慣れとこうと思って。
それに・・」


「それに?」


がまたにやりと笑う。


「浜田に見せたいな、と思って。」


「んなっ・・・・」


唖然とするオレを見てが声を上げて笑った。


そして、勢いよく立ち上がる。


それに併せてひらりと翻るスカート。


「・・・・・っ!!!」


今度は視線の逃げ場がなかった。


視界一面に広がった暗闇に言葉を失う。


「浜田のえっち。」


にひひ、とが笑うのが分かった。


そして続く足音。


慌てて上半身を起こすとすでにの姿はドアの前。


そのまま勢いよく、駆け込んでいく。


ヒラヒラとスカートが翻りながら校舎の中へ消えていった。














再びコンクリートに寝っころがる。


「空の色・・・・だったなぁ。」


ひらりひらりと舞うスカート。


そして、その下。


大きく息を吐く。


男にとって、スカートの下はロマンだ。


「文化祭・・・楽しみだなぁ・・・。」


空を見つめながら、のことを思い出す。


でもやっぱ。


それが。


「好きな奴のならなおさら、かな。」


後で言ってやろう。


めっちゃ可愛かった、ってさ。