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今回は明日真的萌えシチュエーション(設定)でオリジナルSSです。
3種類あるので色々見てみてくださいねー☆





明日真的萌シチュエーションその1。

『家族みたいな幼馴染』









オレとアイツは幼馴染。

生まれた病院が一緒で、母親同士がすごく仲良くて。

家も近いし、自然と家族ぐるみで行動するようになって。

何となく、オレもアイツも同じ学校行って、同じ時を過ごして。

本当の家族みたいに育った。

子供の頃はこのままずっと一緒にいられるって思い込んでた。



でも、所詮、家族“みたい”な関係で本当の家族じゃないんだって現実。



だんだんと大人になるにつれて、




オレたちは嫌でも理解しなくちゃいけなくなっていった。












「そっか、良かった、な。」



そういったアイツの表情は傘に隠れて見えなかった。

けどきっといつものように、少しだけ口元を緩ませて微笑っているのだろう。

普段クールに感情を見せないあいつの癖。

オレはその表情が大好きだった。

昔から、ずっと。


「式は、いつなんだ?」


せっかくアイツが祝福してくれてるんだ。

オレが幸せそうにしてなくてどうする。


「うん、そういうのはまだ相談中。ホント、まだ結婚するって決まっただけって感じでさー。」


つとめて明るい声で返す。

本当は笑える状態なんかじゃなかったけど。

涙をこらえるので精一杯。

ふとアイツが立ち止まった。


「・・・・俺、さ。」


「ん?」


雨音にかき消されそうな声。

一歩近づいて聞き返す。


「俺、お前が本当の家族だったら良かったのに、って思う。

・・・・いや、思ってた、ずっと。」



「・・・・家族?」



「そうしたら、ずっと、お前と一緒にいられるのに。一緒にいてもおかしくないのに。

何で・・・俺たち、は。」


その先は言われなくても分かっていた。


オレだって何度も考えたことだから。





どちらからと言うわけでもなく、抱きしめあった。




放り投げられた傘が地面に転がって。



びしょびしょになるのなんて気にもせず、オレたちは力いっぱい抱きしめあった。



本当はもうずっとお互いの気持ちを知っていて、



だけど、オレたちは知らん振りをしてた。



ずっと昔から続けてきた幼馴染、という関係に囚われ続けて。



・・・いや、ただ臆病なだけだったのかもしれないけど。



気持ちを口にしてしまうのが怖かった。



きっと、オレも、アイツも。





傘に隠れて見えなかったあいつの表情は、実は涙でぐしゃぐしゃで。



オレもこらえ切れなかった涙が溢れてとまらなくて。



絶対誰にも見せられない顔だったけど、



オレたちはもう、そんなことを気にするような関係じゃないから。



ただただ、感情のままにお互いを感じあっていた。





しばらくしてゆっくりと離された身体。




アイツがオレをまっすぐ見つめる。



オレもアイツをまっすぐ見つめ返す。




今日だけは・・・いや、今この一瞬だけは。






オレたちが幼馴染じゃなくなることを許して欲しい。





家族でもない。








それ以上の、




















「愛してる。」
ある雨の日、君はそう言って、
最初で最後のキスをした。